NBBA 韓国ビジネス視察ツアー NBBA 韓国ビジネス視察ツアー

韓国経済市場レクチャー

2014年10月27日(月)
韓国ソウルにおいて、JETRO Korea 事務所の投資アドバイザーである大久保 茂氏・柴谷 昌宏氏のレクチャーを受けた。

JETRO(ジェトロ/日本貿易振興機構)
ジェトロは、貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することをめざして、日本企業の海外展開支援、外国企業の日本への誘致、日本の通商政策への貢献、開発途上の支援と研究を行っている。

レクチャーの様子

韓国の一般概況

概要

韓国の面積は、10.03万km2で日本の約1/4で (2013年)、人口は5,127万人で日本の約1/2(2014年8月) である。そのうち首都ソウルの居住人口は、総人口の1/5を占めており、1,000万人を超えている。
1人当たり国民総所得(GNI)は26,205ドルで、合計特殊出生率は1.19(2013年) となっており、日本よりも出生率が低く国内だけの商売では国が成り立たないという現状がある。そのため、国民総生産(GDP)の約半分の48.5%が輸出となっている。
日本との人的交流は、韓国から日本へは246万人で、日本から韓国へは275万人(2013年) となっている。また、在留邦人数は4万724人とのことで、メディアで報道されているような半日感情は感じない。

雇用・賃金事情

雇用者のうち3人に1 人が非正規雇用者であり、平均給与は年240万円で賞与も含め約300万円程度である。また、非正規雇用者の賃金は正規雇用者の約半分である。
2014年8月の失業率は全体で3.3%であり、若年層の失業率が8.4%と高い。非経済活動人口は1,580万人である。

“ 雇用ミスマッチの深刻化”
学歴社会である韓国において、優れた大学に進学し、大企業へ入社することは一種のステータスであり、憧れを抱いている。その理想を追い求め、大企業以外は就職する意思がないということから、兵役や留学、浪人などで時間をかせぎ、何年かかっても挑戦し続けるという現象が深刻化している。
日本では中小企業が強いが、韓国では一部の大企業に集中してしまう為に中小企業が弱く、結果韓国国内の基盤が弱くなっているという現状で ある。

雇用形態別賃金(定額給与)のグラフ

韓国の理美容事情

理美容業界全体の売上高

韓国の美容業は頭髪・皮膚・その他(ネイル、メイクアップ) に区分されており、これらの全体売上高は2012年度には約5兆ウォンで、男性専用の理容業(床屋) を含めると約5.3兆ウォンの市場規模である。
また美容業の内、頭髪美容業が約3.9兆ウォンで78.7%を占めており、続いて肌美容業が約7千4百億ウォンで、美容市場の14.8%を占めている。

2012年美容業界全体の売上高の表

美容室の店舗数

韓国の美容室数は、2013年5月末時点で約46,000軒である。この数値は、韓国の全てのサービス業種の中でも単一業種としては最も多い軒数で、スーパーマーケット・化粧品店・薬局・衣料品店・コンビニ等よりも多い数値である。同様の美容関連業種に含まれる、ダイエット・スキンケア関連店舗9,335軒、足・ネイルケア店舗3,061 軒、理髪店(床屋)・男性専用美容室1,127軒と比べても圧倒的に多い数である。
美容室の店舗数推移を集計した結果、2012年から1年間で7.1%増加しており、毎月着実に0.6%増加している。

美容室の店舗の推移グラフ

理美容室の料金および生産性

韓国の企画財政部が、2012年に実施した全国理美容室のカット料金調査の結果、韓国の平均ヘアカット料金は美容室:11,422ウォン、理容室:10,588ウォンという結果となった。
韓国の美容業における平均従業員数は2人であり、ほとんどが零細企業である。従業員数が10人以上の事業者数は全体の0.7%しかなく、法人企業の場合は全体の3%となっている。

規模別・美容業現況の表

韓国では平均退職年齢が53歳と非常に若く、退職後に自身の事業を行う場合が多い。その為、韓国では小資本のFC事業が盛んであり、職業への関心というよりも収益の良いビジネスへ投資を行う流れが進んでいる。理美容室も同様で、ブランディングに成功した美容室はすぐに加盟店を募集し、企業化していくのが韓国理美容市場での大きな特徴となっている。

企業化に成功した主要美容室チェーン店上位一覧の表

視察ツアーTOPへ戻る
ページトップへ