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シャンプー工場視察 報告

2013年10月11日(金)
ミャンマー市郊外にあるShwete社 シャンプー工場でU Shwe Tee社長から話を伺い、工場視察をおこなった。

シャンプー工場について

ミャンマー市内から東へ車で約1時間走った、ダゴン工業団地へ。
ヤンゴンを一歩離れると、道路の整備状態も悪く、バス移動でも激しい揺れを感じる。これはコンテナトラックの利用が多く、道路に影響していると同時に一旦作った道の整備までは対応出来ていない様子。この地域は工業開発地域として欧州やアジアからの進出が見込まれ土地売買が進んでいるが、湿田地帯で道路状態も悪く工業団地としてはこれからという感じである。午前10時より視察したシャンプー工場は【Shwete】という、ミャンマー国内のシャンプー製造販売会社で、売上2位の実績を誇る会社である。(※ミャンマー国内のシャンプー製造会社数は、3~4社。)

工場視察の様子

当該製造会社の責任者であるU Shwe Tee社長より、会社説明の時間を頂き、様々な情報交換を行う。Shwete社では、販売は国内だけに絞られており、1日4tの製造が可能。オーダー2交代制での24時間稼動。 従業員は150名(シャンプー製造×30名 パッケージ製造×120名)
主力は、10mlに小分けでパッケージされたシャンプーで【Beaute】というブランド名で16年間販売され続けるミャンマーの人気製品。
価格は、12枚つづりで250Kyat(日本円で約25円)。
その他、10mlのシャンプーと8mlのコンディショナーがセットになった、【PIONEER】ブランドなど全部で7種類を製造・販売している。

ミャンマーの人気シャンプー・トリートメント傾向 香り:ジャスミン、特性:香りが残るもの、髪が柔かくなるもの

日本のような1,000mlや600mlのボトルタイプの製造販売が主ではなく、小分けのパッケージ商品(日本でいうサンプル品のようなサイズ)を主力に製造している。Shwete社のモットーは『安く生産し、安い価格で提供すること』。これは、ターゲット顧客を中間層より下の層、ホテルで言えば3つ星以下に設定しているためである。ミャンマーは、まだまだ貧困でその日暮らしの国民(低所得層)が大多数を占め、「必要な時に必要な物を最小単位で買う慣習」がある為である。
米や食品・タバコ等すべてにおいて、小分けしたものが市場や露店などで販売されている。(※小分け商品を販売する露店は飲食も含め、街中に多数点在している。)シャンプーに於いては、週2回程度で、毎日髪を洗う習慣はない。
又、ボトルタイプの製造・販売に消極的な理由は、タイやインド・中国等の企業による安価な輸入商品との競合を避けるためである。
価格を安く提供し、品数を多く見せる手段として、中身成分は同様で香料だけを変更するという手法も取り入れている。

工場内の様子

流通に関しては、美容室やスーパーにはほとんど卸しておらず、一番大きな市場は一般国民の生活に密着した市場(イチバ)である。

市場の様子

自社トラックを7台所有し、マーケッター(営業)と一緒に配送と販売を行なうダイレクトマーケティングで販売を行なっている。マーケッターは約10名。ミャンマーでは、広告効果としてTVコマーシャルでの反響が大きく、Shwete社のヒット商品も、当時より人気のある女優を使用してのコマーシャルが評価され、販売増へと繋がっている。

この会社ではシャンプー製造の他に、OEMのパッケージ製造も行っている。従業員はシャンプー製造が約30名・パッケージ製造が約120名と約150名の社員がおり、社員のほとんどが近隣の住民。男女比率は60人:90人。工場は2交代制で、平均給料は約20万Kyat(日本円で約2万円)これは、他の製造業よりは高い。会社の売上構成はシャンプー製造で約50%・パッケージ製造で約50%。パッケージ生産は、国内や東南アジアからの受注にOEMで対応しており、シャンプーだけでなく、食料品など多種製造している。
工場見学すると、日本語で書かれた物や日本のキャラクターを真似た物が見受けられ、シャンプー製造より、従業員数や設備規模等考慮すると事業の基幹を成している様相。 今後は工場移転に伴い、日本製の設備機器も導入し、製造販売を強化したい。ヘアケア関連においては、外国企業と組んで、富裕層~中間層を狙った高級なシャンプーも製造して行きたいとの展望も伺った。

パッケージ工場

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