NBBA マイナンバー制度リポート

マイナンバー制度が、2015年10月5日よりスタートしました。2015年10月5日付日経新聞朝刊では「マイナンバー制度への準備を整えた中小企業は6.6%にとどまることが分かった(日本経済新聞社の調査)」と、大手企業に比べ、規模の小さい企業ほどマイナンバーへの対応が遅れています。これは中小企業以下では、マイナンバー自体の理解が進んでいないということが言えます。美容業界にとってもマイナンバー制度のスタートは無視することはできません。そこで、マイナンバーの知っておきたい基礎知識や社会保険料の徴収強化について、NBBAセミナー講師の湯澤先生がわかりやすくご紹介します。

■湯澤悟プロフィール
2002年湯澤社会保険労務士事務所開業。
法律論を超えた柔軟な解決力で各種人事問題を会社目線で即解決し、現場感覚と実践的な内容、難解な専門用語もわかりやすく解説する現場解決型の人事専門の社会保険労務士。就業規則、リストラ、メンタルヘルス、人事制度の見直しなど幅広い活動をしています。

〒103-0004
東京都中央区東日本橋3-6-6 さつきビル5F
湯澤社会保険労務士事務所
代表・社会保険労務士 湯澤 悟
http://www.office-yuzawa.com



マイナンバーとは

2015年10月5日から、日本国内に住民票をもつすべての人に与えられる「12桁」の番号です。一度決定したマイナンバーは、基本的に生涯変わりません。なお、国外に滞在し、住民票のない方にはマイナンバーは付番されません。帰国して住民票が作成される際にマイナンバーの指定や通知が行われます。外国籍の方でも、中長期在留者、特別永住者などで住民票がある場合には、マイナンバーが付番されます。なお、マイナンバーは、パートやアルバイトを含む全役職員の社会保障や税の手続きにおいて使用します。

マイナンバーの目的

マイナンバーは、行政を効率化し、国民の利便性を高め、公平・公正な社会を実現する社会基盤であり、次の3点が期待効果としてあげられている。

(1) 公平・公正な社会の実現
所得や他の行政サービスの受給状況を把握しやすくなるため、負担を不当に免れることや給付を不正に受けることを防止するとともに、本当に困っている方にきめ細かな支援を行えるようになる。
(2) 国民の利便性の向上
添付書類の削減など、行政手続が簡素化され、国民の負担が軽減されます。また、行政機関が持っている自分の情報を確認したり、行政機関から様々なサービスのお知らせを受け取ったりできるようになる。
(3) 行政の効率化
行政機関や地方公共団体などで、様々な情報の照合、転記、入力などに要している時間や労力が大幅に削減されます。複数の業務の間での連携が進み、作業の重複などの無駄が削減されるようになる。
覚えておきたい「4ポイント」

1つ目
2つ目
通知カード(イメージ)
通知カード・個人番号カード交付申請書の様式
3つ目 申請しよう! 個人番号カード
4つ目 個人番号カード受取

「個人番号カード」とは

社会保険料の徴収強化はされるのか?

2016年1月、マイナンバーと同時に、法人に対しては13桁の「法人番号」が導入される。これに伴い「社会保険料の徴収が強化されるのではないか?」と考えているサロンのオーナーがいるが、この考えは間違いです。なぜなら、社会保険(健康保険、厚生年金保険)については、マイナンバーや法人番号が導入される前から「すべての法人事業所」に加入義務がありますが、役職員の保険料の支払いを免れるために年金事務所に適用事業所として届出をしていないケースが多いのが事実です。
今回の法人番号の導入に伴い、法人番号が国税庁と日本年金機構のデータにそれぞれ紐づけば、社会保険未加入事業所のあぶりだしや加入指導が強化されるのは事実だと思いますが、そもそも論として、「加入義務があるのに加入をしていない」ことこそ大きな問題です。
なお、年金事務所による立ち入り検査が実施された場合、確認できた範囲で最大2年間さかのぼり社会保険に加入することになります。この場合、2年間分の多額の社会保険料(事業主負担+社員負担)を事業主が一括で(まとめて)支払うことになるため、経営危機につながる可能性もあります。

まとめ

私が社会保険労務士として独立開業をする前、1年ほど大手外食産業(人事部)で働いていました。私の会社は社会保険に加入をしていましたが、社会保険に加入していない中小の飲食会社は多かったように思います。
また、長時間労働は当たり前という風土もありましたので、今のサロン業界を見ていると、「10数年前の飲食業界に似ているな」との印象があります。今や、社会保険未加入問題と長時間労働の問題が解決されなければ、新卒採用はおろか中途採用にも影響が生じる時代になっています。
今回のマイナンバーや法人番号の導入を「経営のピンチ」ととらえるか「経営改革のチャンス」ととらえるか、今まさにサロン経営者の覚悟が問われています。
「問題は、経営者の信念に出会うと小さくなる」。これは私の師匠の言葉です。
意志がすべての結果を決めますので、問題解決に向けて、是非とも第一歩を踏み出して頂きたいと願うばかりです。

詳しくは、内閣府マイナンバーホームページをご確認ください。




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