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販売代理店視察 報告

2015年10月15日(木)
ミルボン セールスディレクターの岡崎晴通氏から話を伺った。

レクチャーの様子

ミルボンについて

現在バンコクに3社の代理店があり、そのうちの1社が今回訪問させていただいたRENALAE 社である。
ミルボン社では、現在1代理店1営業担当体制で、代理店フォローを行っ ている。日本と文化・商習慣等の違いがあり、代理店・サロン・美容師の気 質を受け入れつつ成果を上げるべく日々苦労されている。

タイでは日本で行っているような、サロンの売上向上に役立つ情報提供・ 企画提案・スタッフ教育など、サロンに対する繊細なフォロー体制はそれ ほど必要ではなく、商品の正しい使用方法をレクチャーするといったハード面のフォローが中心となっている。
また、技術教育に熱心なサロンはごく一部のようで、技術者に昇格するた めのテストもない為、本人が自分で大丈夫だと判断したらその日から技術 者になれる。さらに、個々人の技術売上目標等の意識は低く、積極的な集 客活動を行っているサロンはほぼ無い為、口コミによる集客が基本となっ ている。

代理店の業務自体は日本と同様、商品を受注し、サロンへデリバリーし代金の回収を行うが、代金の回収には苦心しているようだ。サロンでの夜間 臨店活動は皆無の為、日中サロン営業中の空いた時間を見計らって行われ ており、営業5人程度の代理店の取引サロン件数は、300サロンくらいまでが一般的である。

RENALAE社について

RENALAE 社(美容代理店)は創業16年の歴史があり、ミルボンの他、TIGI, framesi(イタリア:主に低価格ヘアカラー)の3社の商品を販売している。美容部門のスタッフは10名程(営業6名、インストラクター3名)。
現在プロユース品の販売は、残念ながら下降しているが、一般市場(セブンイレブン等、取引先)向けの別会社も展開しており、セブンイレブンに販売している一般市場向けの商品(ヘアカラー)は、3年連続で販売が増加している。
また、同社は直営サロンも経営しており、全盛期は9サロン展開していたが、 現在は6サロンに縮小している。サロンの売上低下の対応策として、商品価格の値引き・添付等、できる限りのサポートを行っている。
教育展開については、自社スタジオにて商品情報とそれに伴う技術情報の提供を行っている。セミナーは、ヘアカラー・パーマ・トリートメントと、商品に関連する内容(理論及び技術)が多い。

<タイの美容師の給与について>
スタイリスト:30,000バーツ( サラリー:10万円程)+コミッション
*1バーツ:3.38円(2015年10月19日現在)
*フルコミッションの場合もある。(売上の40~50%)
アシスタント:300バーツ(1日:1,000円程)

タイの景気について

景気は、経済問題と政治の問題(軍事政権)から低迷している。
景気低迷は、美容室への顧客来店頻度の減少と、サロンでの消費金額の低下を引き起こし、結果売上の減少に繋がっている。
個人消費についても減少しており、以前はスーパー等で大量にまとめ買いする傾向だったが、現在は必要な時に必要最小限の物を購入傾向にある。

美容業界概況

タイの美容業界には、来店頻度の減少・客単価の低下・ホームカラーの増加等、日本と同じような課題があることが分かった。
その課題に対して代理店がサロンへ行っている対応策は、値引きや添付が 主であったが、ここに「日本式の提案」が必要なのではと感じた。集客の概念 がない文化に「日本式の提案」を行うことで、日本メーカーの信頼を掴み、タ イの美容業界の発展と市場拡大に貢献できるのではないかと考える。

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