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広州国際美博覧会視察 報告

広州国際美博覧会について

広東展覧公司と広東省美容化粧品協会の共催で、1989年から開催されている大規模な美容展示会です。
年々規模を拡大させ、昨年の秋には28万人の動員があったというほどのアジア最大、世界でも最大規模の美容展示会です。当初は年1 回の開催でしたが、1996年から年2回開催で行われています。今回は、第35回の開催で、2011年9月19日~21日にかけて行われました。10の展示ホールに美容、エステ、化粧品などの最新機器機材、情報が展示されます。
中国国内はじめ、中国、アジア、ヨーロッパ、アメリカ、太平洋地域の各地から多くの入場者があり、今回も20万人を越える入場者と見込んだ様子で、日本からも多数の関係者が来場していました。ツアーのスケジュールの中で、今回は広州入りが予定よりも遅れたため、9月19日の午後と9月20日の午前中の二日間に分けて見学しました。

広州国際美博覧会視察

会場およびフロア案内

2日間に渡り、午前、午後と見学を行いましたが、広大な敷地に立ち並ぶ展示ホール内は、両日とも時間に関わらず非常に多くの人で賑わっていました。会場入り口では、セキュリティチェックがしっかり行われていました。

会場

10の展示会ホールに分かれた配置になっており、ヘアプロダクトの展示はその中の極一部でした。

フロア図

参加者の様子

とにかく人の数が多く、どこのブースもとても賑わっ ていました。ヘアスタイルは、それほど明るいカラーなどはなく、巻き髪などの華やかなスタイルもあまり見かけません。日本の街中に比べると、若年層にショートスタイルが多い印象で、一部の先進的ユーザーのみが、スタイリング剤で様々なアレンジを工夫している様子が垣間見えます。中国の美容師には長髪のトレンドを作る技術が、まだ不足しているのか、国民性なのかは不明でした。

参加者の様子

ヘアケア製品関係

広い展示会場の中で、ヘアケア製品関係のブースは極一部だけでした。美容商材といっても、エステや美肌、痩身、整形関係の勢いがかなり強く、ヘアケア製品はあまり出展されていないのが現状です。
ヘア関係のブースでは、特設ステージを作り、実演やショーを行っているところもいくつかありました。

ブースの様子

日本では、ナチュラル志向・オーガニック系の製品が増えていますが、展示会場では、それほど目だってオーガニック製品が出てきている様子は見られません。
日本国内で流通しているヘアケア商品に比べて、総じてボトルはシンプルで、スクエアに近い容器や、丸型を志向する容器は見受けられませんでした。いくつかの商品の香りを嗅いでみましたが、いたってシンプルな石鹸臭が多く、ケミカルな匂いや、天然香料に近い匂いは全くありません。
プロモーション的にもダイエット商材メーカーやボディスパ商材メーカーに比べて貧弱で、機能性を強く打ち出しているものはありません。
例えば、毛髪の根本的な改善を訴求したものや、使用前使用後の「ビフォーアフター」のビジュアルを一切活用していないなど、日本では普通のプロモ戦術を、中国国産メーカーでは実行していません。訴求ポイントが無いのでは、という感想を持ちました。

ブースの様子

美容機器およびスパ・エステ関係

美容機器関係は、非常にたくさんのブースが出展されており、中国での美容医療や美容機器の勢いの強さを実感しました。どのブースでも、実演コーナーがあり、実際にお客様に体験してもらいながら、説明していました。
さらに、女性のみならず、男性のお客様も実際に体験されている風景が多かったことも印象的でした。
日本では見ることのないような機器が多かったです。

ブースの様子

美容機器での体験ブースがたくさん並ぶ中、アジア色の強いスパブースも多く見受けられました。ここでも実際に体験できるようになっています。

酵素浴コーナー

また、酵素浴のコーナーもあり、エステへの意識の高さも強く感じました。

*酵素浴効果
檜パウダーに混ぜ込んだ大量の植物性酵素が皮膚を通して吸収されることにより、からだ全体の新陳代謝が活発になる。さらに皮膚表面の血流改善と酵素や発酵代謝物の働きで、皮膚が乳化され、古い角質がとれ易くなり、皮膚本来の働きがよみがえり、つるつる美肌効果が期待。また皮膚の状態をよくすることで、正常な細胞を強化・保護したり、免疫物質の生産を活発化するのに役立つ。

OEM関係

今や世界の化粧品工場地帯とも言える広州ですが、想像以上にOEMメーカーの出展が多く、OEM専門ゾーンには、あわせて120以上の業者が出展していました。
事業バラエティーも豊かで、カテゴリー的には
1. 総合水物OEMメーカー
(ヘア、ボディ、フェイシャル、化粧品などビューティケア水物全て)
2. ボディケア・フェイシャル専業OEMメーカー
3. ヘアケア専業OEMメーカー
4. 精油メーカー
5. 容器包材メーカー
6. 化粧品製造機器メーカー
に分類され、1.総合メーカー、4.精油メーカーで全体の7割程度を占めていました。

ブースの様子

ヘアケア専業メーカーはここでも地味な存在です。また、総合メーカーのブース内でもヘアケアは目立たぬ場所におかれていました。
BtoB に関連する来場者しか立ち寄らないゾーンですので、他のゾーンに比べて来場者の流入は少なく、一方でメーカー側はずらりと待ち構えており、過当競争さえ想像させる雰囲気でした。
営業対応も大変こなれており、OEM ビジネスでの一般的な質問事項は全てパンフレットが用意されているか、その場で即答してくれます。日本のような「別途見積もり」というスピード感ではありません。
メーカー4社にヒアリングしたところ、提案レベルは概ね下記のようなレベル感でした。

■概算価格
シャンプー300ml 20元~30元
トリートメント300g 20元~40元
スタイリング剤100g 30元(1社のみ)
<他の3社は取り扱っていない>
カラー剤  1 剤100ml 25元(1社のみ)
オキシ1,000ml 60元(1社のみ)
<他の3社は取り扱っていない>

■最低ロット
シャンプー・トリートメントの店販サイズで、1アイテム300本からカラー剤はPB としては作っておらず、ノーブランドで100本単位で発注可能

■納期
概ね1ヶ月。
1ヶ月あれば、広州で生産~上海などの中国東部沿岸 地域に着荷可能。

ヘアショー

会場の一角に設けられた特設ステージにて、ヘアショーが開催されました。
2日目の最後にE-MA ACADMY のヘアショーを見学しました。ショーの構成は、迫力ある太鼓のオープニングからスタートし、モデルウォーキング(女性2 名男性3 名)、その後、5 人の美容師によるカットショーと続きます。
スタイルは、赤、緑、黄と奇抜な色で作られた作品でした。
モデルウォーキングの作品も帽子のような作品など、日本の作品とのギャップを感じました。
また、ヘアショーの会場に集まった観客たちの多くが、携帯やデジカメ、さらにiPad などを用いて写真を撮る姿が印象的でした。また客層はブースを回っているときにはあまり見かけなかったような方でした。
(ヘアショーに集まっている観客は、日本の美容師のような雰囲気を感じました。男性のヘアスタイルは、ほとんど違いがないという中国のイメージの中で、ヘアショーの観客は、ヘアスタイルにもこだわった様子でした)

ヘアショーの様子

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