講師プロフィール

マシンガンズ 滝沢秀一 氏

1976年生まれ。1998年に西堀亮とお笑いコンピ「マシンガンズ」を結成。
「THEMANZAI」2012、14年認定漫才師。
2012年に定収入を得るため、お笑い芸人の仕事を続けながらもゴミ収集会社に就職。
ゴミ収集中の体験や気づきを発信したSNSが注目を集めている。
2020年10月9日に環境省が新たに創設した「サステナビリティ広報大使」に第一号として就任した。

ゴミ清掃員になったきっかけ

11年前（36歳）ゴミ清掃員を始めた。ゴミに関する書籍を12冊発刊。
ゴミ清掃員としての仕事を芸人の傍らで行っていたが、そうではなく、「日本一のゴミ清掃員になろう」「目の前の事を一生懸命やろう。」という意識を持ってから大きく変わった。
ゴミ収集をする地域で出会う人全員に挨拶する事で皆さんからのクレームが減るか…
など意識を変えて行う事にした結果、仕事への向き合い方が大きく変わった。

■ゴミは生活の縮図

・ゴミから人物が連想できる。
〇ごみの捨て方
〇ゴミ自体　　　→　その人の性格がでる
〇ゴミの量　

■高級住宅地と一般的な住宅街の違い

□高級住宅地　⇨　自己投資の傾向が見られる

• ゴミの量が少ない（真逆のイメージであった）
• たばこの吸い殻が少ない
• 年収1千万円を超えるとたばこを吸っているかたは少ない（約１％程）
• 時代を反映するゴミがでる（健康グッツ　ロデオボーイ・ワンダーコア）

□一般的な住宅街　⇨　他人に投資している　⇨　小さな消費が大きな消費に繋がっていく。

• 100均のゴミが多い
• 使い捨てに近い感覚で洋服が多く捨てられている（安く買える）
  ※1月4日ゴミが多く出る日⇨夜の7，8時くらいまで回収が続く

■品性と能力はゴミにあらわれる

• 必ずでは無いが、ゴミを適当に出す会社は6年以内につぶれる。
• 自分の会社からマナーの悪いゴミを出すと会社のイメージが悪くなる可能性があるため。
  会社に対する愛社精神が少ない。
  地位の高い人ほどゴミの出し方がキレイに分別していると感じる。
• 汚いゴミの中から出てくるテストの点数は低い。
  （シュレッダーを使用している可能性もあるので全部では無いが…）

■ゴミはうそつかない

• 集積所はその地域の方が使うので、汚い場合は更にそこにゴミを散らかしたりする人が出てくる。
  ⇨環境問題は日常とつながっており、誰かがやるだろうと思っては誰もやらない。
• ペットボトルは262億本/年 回収されており、回収率としては93％で回収率は優秀である。
  しかし、海外の方に比べて日本人は環境のことを考えている人が少ない。
• 回収されない7％は行方不明である。その中の0.1％が川に流れるすると年間180万本が 海に流れてしまうことになる。
• 蓋がついているペットボトルは川の流れで同じ場所に流れ着く。その量だけでもすごい量が あるが、更に川に沈んだものが大量にあるはず。
• ペットボトル⇨マイボトルへの変更少しずつでも意識を持つことが大事である。

■古紙回収

• 段ボール、雑誌、新聞、すべて別に仕分ける必要があるので、別々でまとめなければいけない。

■ゴミは伝染する

• 自分のゴミ出しは人に影響を与えている
• 周りのゴミがラベル、キャップがついたままだと、そのままでよいと感じてしまい、影響される。
  これが正解というゴミの出し方をするとそれに影響される

■ゴミ汁問題

• 生ごみの汁がたまっているとパッカー車に入ると破裂してしまう事がある。
  一般の方がパッカー車の近くと通るときは回転を止めたりする工夫をしている。
• 1人ひとりが生ゴミの汁を絞って、水分が少なくなり、軽くなるだけで輸送費も減るし、 焼却する際に燃焼している時間が減れば、そのために使用される税金もCO2も削減できる。

■ゴミは個人情報のかたまりである

• スプレー缶やリチウムイオン電池（充電式電池）により爆発することがあり、ゴミ清掃車 が炎上することもある。
  ⇨回収の仕方が地域によって違う。買うことは簡単だが、捨てることも考えて購入するべきである。

まとめ

■根本的にゴミの量を減らす必要がある

• 最終処分場には限りがある（ゴミは燃やした後もお金がかかる、下水にお金がかかる）
• 日本：最終処分場の寿命は22.4年。→結論は至ってない。

□食品ロス
⇨あるもので賄う気持ちが必要。使わなければ捨てればいいという考え方を無くさないと 食品ロスは減らない。顔が見える社会をつくる事で意識も変わるのではないか。
例）新米が出る秋に古米がすてられる、フルーツ（柿、キューイ、リンゴ）

• 世界援助食料420万トン（2020年）
• 日本の食品ロス約522万トン
• 分ければ資源、まぜればゴミである
• 自分の気持ち1つで資源にもなるしゴミにもなる
  例）黒土コンポスト→生ゴミをリサイクル

■意識を変える

〇Last　long（ラスト ロング）　⇨　愛している物なら、命なくなるまで使う。
〇Just　enough（ジャスト イナフ）　⇨　真意　足るを知る

■３R

➀Reduce（リデュース）　必要以上に作らない。一番やらなければいけない事
②Reuse（リユース）　メルカリ　シェアカ―
③Recycle（リサイクル）　
　　　＋
・Respect（リスペクト）
　見えないものに対する尊敬の気持ちを持つ考え方が絶対に必要である。

■Q＆A

Q１　自治体の取り組みで印象に残っている事は？
A　　いらないお皿を持ってきて、参加者でシェアする取り組み
今後イベントで真似をしていきたいと思っている。

Q２　滝沢氏の活動配分はどのくらいでしょうか？
A　　10：0でゴミの活動（清掃員・書籍発刊・講演）をしている。

所感

今回セミナーで一番印象に残っている事は「ゴミは人間がゴミと決めた瞬間にゴミになる。人に対しても、ゴミに対してもリスペクトすることが必要である。」の部分であり、考え方により大きく変化する。一人ではすべてを変えることは難しいが、一人一人がゴミに対する意識、環境への取り組みを意識する事で、周りへの波及効果が表れ、大きく影響を与えることも出来ると感じたので、まずは、自ら意識していこうと思った。

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