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ミャンマー経済市場レクチャー

2013年10月10日(木)
ミャンマーヤンゴンにおいて、JETRO Yangon事務所の投資アドバイザーである山口哲氏のレクチャーを受けた。

JETRO(ジェトロ/日本貿易振興機構)
ジェトロは、貿易・投資促進と開発途上国研究を通じ、日本の経済・社会の更なる発展に貢献することをめざして、日本企業の海外展開支援、外国企業の日本への誘致、日本の通商政策への貢献、開発途上の支援と研究を行っている。

レクチャーの様子

ミャンマーの一般概況

概要

人口:6,112万人(2012年)
面積:67万8330km(日本の1.8倍)
公用語:ビルマ語
首都:ミーピードー
為替レート:1ドル約975チャット(2013年7月末現在)
経済成長率:6.0%(2012年 ADB推定)
1人当たりGDP:835ドルとIMF推定しているが、実質は1,000〜1,200ドルといわれている

宗教

仏教:89.4%
キリスト教:4.9%
イスラム教:3.9%

国家構成

7地域(Regions)
7州(States)

民族構成

国内には135の民族が居住
ビルマ族:69%
シャン族:8.5%
カレン族:6.2%
インド・パキスタン人、バングラデシュ計:4.6%
ラカイン族:4.5%
チン族:2.2%
中国系:0.7%

ミャンマーの3つの豊かさ

高い経済効果

2012年の貿易収支では輸入91億ドル・輸出90億ドルで1億ドルの貿易赤字と発表しているが、実際の貿易赤字は45億ドルとなっており、実質輸入は135億ドルあると考えるのが合理的といえる。例えば、タイからの輸入は6億ドルと発表しているが、輸出発表では21億ドルとなっており、15億ドルのズレが生じている。また、中国からの輸入は30億ドルと公表しているが、中国側が発表している対ミャンマー輸出は60億ドルになっており、ここでも30億ドルのズレがあり、この2カ国だけで45億ドルの輸入が消えている。
さらに中国商品などが「密輸」されているので統計の数字には現れないものもある。
海外へ出稼ぎに出ているのは人口の1割(約600万人)。
そのうちタイへの出稼ぎが約500万人おり彼らが地下銀行から母国へ送金している。
このように統計には出てこない約60〜120億ドルのインフローがあると言われている。
つまり、統計には出ないが確実に豊かな経済事情がある。

温暖機構の豊かさ

温暖なミャンマーで年間1000ドル使う人と、寒冷な気候の国で1000ドル使うのでは数字では同じだが、実質の豊かさが違う。
例えば寒い北朝鮮では暖房、防寒衣服等が必要だが、ミャンマーではロンジー(巻きスカート)と、数枚のシャツとサンダルが日常着。手を伸ばせばバナナも採れるため。同じ1000ドルでもはるかに豊かな生活ができる。

仏教による心の豊かさ

ミャンマーは仏教信仰が深い国で、仏の道を極め、来世のために生きている人がほとんど。
幸せの「ものさし」はお金ではなく家族と暮らす事で、特に両親に対する愛は深い。

製造拠点として(ミャンマー及びアジア諸国の状況)

現在の経済発展の中心は製造業である。
良質な労働力と温厚な国民性でミャンマーはアジアの中で新たな製造拠点として注目を集めている。
一方アジア諸国の中では、中国やタイは2015年に労働人口がピークをむかえ(国連 人口統計より)、特に中国では、実質2011年が労働人口のピークであった(2012年は底打ちで0.6%減)。
これは、過去10年間に2500万人の知識層と富裕層が国外脱出したことによるもので、よって現在の中国は労働人口が不足してきている。
また学生の就職率が7割となっており、社会不安も抱えている。同じようにタイも老齢化が進み、労働賃金が上がり続けている。重要な輸出であったコメ農家が減り、コメ輸出は世界3位に転落した。インドネシアでは道路の大渋滞が日常化されており、非労働者500万人を正規労働者にしろとストライキも起きた。
ベトナムでは昨年賃金が200ドルを超え、さらに韓国サムスン社が進出したため250ドルになった。失業率も2.3%から1%を切るまでになり、もはやチャイナ+1からベトナム+1といわれてる。

アジアの中で新たな製造拠点として注目を集めているミャンマー

アジアにおけるポスト中国・ポストベトナムの候補国比較

日本企業のミャンマー進出について

親日国ミャンマー

車所有者の95%が日本車を使用していおり、その約90%がトヨタ車(中古含む)である。
また日本製の家電は結婚祝いのギフトとして、新婚夫婦に人気の品となっている。
日本語検定1級を取得する人が年間 約80人ほど (他国では10〜20人/年)おり、日本語を理解する人も多くなっている。

化粧品の輸入販売

ミャンマーでは外国資本が1%でも入っていると輸入販売が出来ないため、一般的には現地代理店をつくり日本から輸出した商品を販売するという方式がとられる。
ミャンマー会社法(サービス業)では、50,000ドルで外資100%で会社をつくり、ミャンマーで代理店を選定し、流通、プロモーションを展開することが可能となる。
しかし、特にブランド品はタイ、中国からの密輸が多いため、マーケティングする前に店頭でロット番号を調べ、どのルートで入っているかを調べる必要がある。
密輸ルートを止めてから輸入しないと、代理店をつくっても成功しないため注意が必要である。
(ミャンマーの密輸は規模が違い、 輸入統計の5割UPの輸入があるといわれいる)

ミャンマーの美意識の変化

以前は、テレビや雑誌に出てくるモデル女性は以前小太りの方が多かったが、最近では韓国映画等の影響もああり、ほっそりした女性が美しいとされている。
1年半前はほとんどの女性はロンジー(巻きスカート)をはいていたが、ジーパンなどファッションが変ってきており、美容室、スパサロンも急激に増えてきている。
ヤンゴンの美容院はお金持ちをターゲットにしたものが多く、平均美容室の料金は6,000チャット(約600円) カット・シャンプー・マッサージがつく。

ミャンマーの結婚事情

宗教上の関係で7月22日から10月18日までの約三ヶ月は、結婚式はもちろん、お酒を飲んでもいけない時期である。
それ以外の期間は、結婚式も頻繁に行っており結婚ビジネスも盛んである。

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